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3月10,11日 こども大学かわごえ にてCSR書道教室を実施しました

2018/3/10,11



《好きな一字で書のカレンダー作り》

【概要】

習字の学習を基礎に、芸術としての書の心に触れる試みです。

自分の好きな漢字一字を用いて、書のカレンダーを製作します。

五體字類や書道辞典をもとに、甲骨文字から楷書に至るまでの様々な書体の表したプリントを配布します。

そこから好きな書体を選びカレンダーに清書します。

(先生が生徒それぞれに手本を書きます。)

 

【意義・目的】

この授業ではまず、漢字の成り立ちを視覚的に理解することから始まります。人によっ

て、時代によって字が違う。形も違えば書き順も違うものがある。うまい字にもいろいろある。

うまく見えないものにも面白みが感じられる。最初に、このような自由な発想を得ることが大切

になります。

 カレンダー作りでは、筆先を潰す(逆筆)、かすれ(飛白)、汚れ(飛沫)なども表現となり

うることを楽しみながら体験します。そこから自分なりの「うまい」を発見する喜びが生まれま

す。普段と違う筆使いを意識することで、筆の特性をより深く理解することができ、それが通常

の習字の上達にも還元されます。

自然の力を認め、利用することが日本の美です。偶然の美を楽しんで下さい。

 

【授業構成】

授業前半・講義:

・漢字から絵を想像し、その意味を読み解いてみよう (日本人が作り出した漢字について)

・漢字の楷行草書からひらがな、カタカナに至る歴史について(左と右の書き順のひみつ、丸文

字は進化?等)

・永字八法について(上手に字を書く裏技)

・さまざまな美術作品を参考にした筆の使い方(飛白、飛沫等)

 

授業後半・実技:

まず、先生がお手本と手順をデモンストレーションします。

「カレンダー作りの手順」

.先生のお手本を元に、半紙一枚にさまざまな書きぶりで線を練習しましょう。(授業時間が充分にある場合、最初に石の墨を擦りましょう。

あなたの好みの墨色を作ることができます。)

.四つ折りにした半紙一枚に気に入った字体を四つ練習しましょう。全部書けたら先生に見せて下さい。先生と相談しながら一文字を決めましょう。

.半紙に大きく書く練習。一枚書けたら先生に見せて下さい。

.練習が終わったら、カレンダー用紙に清書しましょう。

.墨が乾かないうちに金粉銀粉をふります。次に落款(ハンコ)を押します。小筆で名前を書いて完成!

.お互いの作品をみて、感想を発表しましょう。

 

お習字とは一味違った書の試みはもちろん、文字の歴史を学ぶことで得られる知識が字の上達に繋がるというお話もまた新鮮だったのではないでしょうか。

今後も書き初めとしてご家庭で毎年続けられると面白いかと思います。

今年はどんな字を選ぼうか、どんな風に書いてみようか、去年とはどのように違っているでしょうか。

書を通して自己を振り返り、今年の目標を立ててみるのも良いですね。ぜひご家族でお話してみてください。

短い時間でここまで素晴らしい字を書かれたことに驚きながらも、皆さんの日々のお習字の成果に違いないと関心しております。

子どもたちの伸びやかで屈託のない大胆さと、いともすんなりと自然の力を味方につけてしまう息遣いに感服してしまいます。

子どもたちにとってかけがえのないひと時になったことを願いつつ、我々もまた子どもたちの笑顔を糧に精進して参ります。

 こども大学かわご関係者の皆さんに感謝申し上げます。